サナキの森 粗筋とネタバレ 粗筋その2
小夜告村体験 これも、小説の一部である
ペンネーム「在庭冷奴」で本名「荊庭零」は、学生時代の下宿仲間の「宵野(しょうの)」に誘われ、「宵野」の故郷の岩手県遠野市小夜告村に湯治に出掛ける。
そこには、濁り湯の秘湯が有ると言う。
そこで、彼らは、「冥婚」に関わる不思議な体験をする。
その粗筋を書いておこう。
1)鼈甲(べっこう)の帯留め
・学生時代の下宿仲間の「宵野(しょうの)」に誘われ、
彼の実家が有る、河童や座敷童で有名な遠野市に向かい、
取り敢えずは、実家に一泊する。
・大晦日となる翌日の朝、目的地の「小夜告村」に向かおうとした時、
「小間物売り」がやって来て、色々と見せるので、
「荊庭零」は、「鼈甲の帯留め」に惹かれてしまい、
誰に上げると言う目的も無いまま、買ってしまう。
・「小夜告村」に到着すると、思ったよりも良い温泉宿で、
それには満足する。
しかし、料理も貧弱だし、店も無いので、時間を持て余す。
・そんな時、友人の「宵野」が、
昔、この村で最後の「冥婚」を行なった分限者(長者)が有ったことなど
教えてくれ、その影響か、「荊庭零」は、その夜、
夢とは思えないほどリアルな、「冥婚」に関わる夢を見る。
そして、それを「サナキの森」と言う名のホラー小説に纏めたわけだ。
2)御高祖頭巾の女
・旅館の部屋で寝ていた「荊庭零」は、夜中に目覚めて,
今までに無い怖気を感じる。
・そして、外から聞こえる声に気付き、窓から見ると、
「宵野」が誰かと喋っており、その相手は、
藤色の御高祖頭巾を被り、右手に何かを持っている女であった。
・そして、女は、窓から見ている「荊庭零」に、風呂敷を解き見せると、
左手が頭に巻き付けるようになった、可憐な少女の首だった。
それを観て、「荊庭零」は気を失い、朝を迎えた。
・しかし、朝を迎えると、「宵野」は、
「昨日、歩き疲れて泥のように寝た。」
と言う。
・だが、布団を片付ける時、布団の間から、
枯れた松の葉が落ちるのを見て、夢ではなかったと確信する。
3)サナキの正体
・「荊庭零」と「宵野」は、散策に出掛ける。
そして、十数人の土工が、トンネルを掘っている現場に行き着く。
・そこで、「宵野」が、
頭と胴体が離れ離れになっている美少女に話をすると、
土工たちは、
「それは、サナキじゃ。」
と教えてくれた。
「サナキ」とは、「左が泣く」と言う意味で、
頭と左手だけになった方が、右手を偲んで泣くのだそうな。
4)「宵野」が消える
・土工たちと喋っている時、チラッと、美しい着物の姿が見え、
同時に、「宵野」の顔が、どす黒い霧に覆われ、
「宵野」は、
「僕は、呼ばれているみたいだ。」
と神社に向かう。
・神社に辿り着き、ちょっと目を離した時に、
「宵野」の姿が見えなくなった。
・土工の親方が、
「あんたの友達は、サナキに気に入られたのかも知らん。
森の中でサナキを見たら、お供えをして、
機嫌を取らんといけん。」
と言う。
・持っていた饅頭を供えようとした時、鼈甲の帯留めが落ち、
それを拾おうとした時、突風が吹いた。
以上までが、「在庭冷奴」が書いたホラー小説の一部である。
次のページ「孫への依頼」へ続く。
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