アケビ

 田舎暮らしの私は珍しくないし、この日記を読みに来てくださる方々にとっても珍しくはないだろうけど、カミさんが私に食べさせようと、「あけび」を獲ってきてくれた。

 アケビは、皮がパカッと口を開けて実が見えるのでるので、「あけ(開け)み(実)」と呼ばれ、それが「アケビ」になったそうである。漢字で書くと「通草」とか「山姫」とか「山女」とかだそうな。

 私が子どもの頃の物のない時代には、このアケビも絶好の食べ物であったが、今の子は、それ程喜んで食べたりはしない。
 そりゃあそうだ。バナナの実の柔らかいような感じの実は、熟すると甘いし、何よりも珍しく面白い感じがするのだが、肝心の食べる分は少なくて、殆どが種ということが残念である。
 しかし、実は、精(スタミナ)がつくと言われているそうな。

 珍しいけどこんな邪魔くさい物なんか誰も見向きもしないだろうと思ったら、最近は珍しい物が珍重されるようで、料理にも使われるし飾りにも使われるので、わざわざ畑で栽培して出荷している農家があるそうな。そして、結構売れるんだとか。

 昔からの食べ方は、
・実を種ごと口に入れ、グチュグチュッと口の中で崩(くず)す。
・口の中で実と種を分けて、実を飲み込む。
・種は、そこいら辺りにブブブッつと吐き出す。
であったが、最近は、
・実は、生食が中心で、
・果皮は油で炒め調味料で味付けしたり、天麩羅にしたり、
・葉や若芽は和え物にしたり
して食べるそうな。
 また、蔓(つる)を輪切りにして干した物や果皮は、利尿剤、鎮痛剤、腎臓炎、膀胱炎、脚気、浮腫などに効くのだそうな。

 また、蔓は、とても丈夫で柔らかみがあるため、それを使って編みカゴや椅子、オモチャを作ったり出来るようである。

 こうして並べてみると、大した役立ち品じゃないか。もっと大事にしなくっちゃね。