逮夜(たいや)のミニ知識

 我が家の恩人であった従兄が、
亡くなり、
「逮夜」が行なわれ、
私も、お参りさせていただいている。


 そんなことから、
色々と考えることが有り、
逮夜に関することを、
纏めてみることにした。



<逮夜>

 「逮夜」とは、
七日ごとにお経を貰い、
故人の冥福を祈る行ないで、
7回目は、四十九日で、
「忌明け」「満中陰」となる。

 因みに、
・「中陰」とは、
  「陰」の最中(さいちゅう)の意味で、
・「陰」とは、
  亡くなってから、
   次の生を受けるまでの間、
と言う意味である。


 なお、
逮夜が7回有るのは、
・7日ごとに、地獄の裁判官に、
  故人を、天国に送るか、地獄に送るか、
   審議されるので、
・お経を貰い、
  遺族や親しかった者が集まり、
 故人の遺徳を偲び、
  天国に逝けるよう願う、
からである。


 また、
初七日(しょなぬか)は、
本当は、葬儀の日を一日目と数え、
六日目に行なう。

 ただ、
私の住んでいる地域では、
日にちの短縮省略で、
葬儀の有った夜を、初七日とすることも、
しょっちゅう行なわれている。


<お念仏(御詠歌)>

 私の地域では、
逮夜で、和尚からお経を貰った後、
集まった者たちで、
西国三十三カ所のお念仏を唱える。


 因みに、お念仏は、
「観世音菩薩」信仰の霊場である、
近畿地方と岐阜県に有るお寺を讃える
御詠歌のことである。

 なお、
「西国三十三ヶ所」の御詠歌は、
平安時代の「花山天皇」が出家して、
「花山法皇」なってから、
三十三ヶ所のお寺を巡り、
和歌を奉納したもので、
それに節を付けて唱えるようになった
ものだそうな。


<十三仏>

 お念仏の前に、
十三仏の名前を唱える風習が有る。

 何で、13体の仏様の名前が出るかだが、
・初七日から四十九日までの7回の法要、
・百ケ日、
・一周忌=むかわり、
・三回忌、
・七回忌、
・十三回忌、
・三十三回忌、
の法要を司ってくれるから
だそうな。


 ただ、
元々、故人の罪状の審議をするのは、
仏様ではなく、「王」だったそうで、
権威付ける為に、仏様を関連付けた
そうな。

 それを書いておくと、
初七日:秦広王=不動明王、
二七日:初江王=釈迦如来、
三七日:宋帝王=文殊菩薩、
四七日:五官王=普賢菩薩、
五七日:閻魔王=地蔵菩薩、
六七日:変成王=弥勒菩薩、
七七日:泰山王=薬師観音、
百ケ日:平等王=観音菩薩、
一周忌:都市王=勢至菩薩、
三回忌:転輪王=阿弥陀如来、
七回忌:蓮華王=大しく如来、
十三回忌:祇園王=大日如来、
三十三回忌:法界王=虚空蔵菩薩、
と言うことになる。


 で、
三十三回忌で、完全に成仏する、
と言われているので、
本来は、故人の法要は、
これで終わりのはずである。

 しかし、
菩提寺では、
五十回忌、百回忌の法要を、
リストアップして、お寺の壁に張り出す。

 良い方に考えれば、
ご先祖様を偲ぶ為と言える。

 逆に、悪い方に考えれば、
法要をさせて、お布施を貰い、
収入を増やす為、
と考えられる。

 ご先祖様とは言え、
100年前に亡くなった方のことを
知っている人間が居ない、
なんてことも有り得るから、
微妙だね。


<仏様の階級>

 十三仏にも書いたが、
仏様にも、カテゴリーが有るようだ。

 仏様なので、
階級と書くと語弊が有るかも知れないが、
段階と言う方が、良いのかも知れない。


 で、段階を調べると、
・如来、
・菩薩、
・明王、
・天、
が有るようだ。

 で、
「如来」は、
 悟りを開いて、
  迷いの無い境地に立たれた
   最高の存在。
「菩薩」は、
  悟りを開く為に修行中であったり、
  敢えて悟りを開かず、
   一般の衆生の近くに居て、
    衆生を救う役割を果たしてくれる。
「明王」は、
  密教で考えられた仏様で、
   大日如来の化身と言われ、
  従順でない衆生を戒める為、
   怒り顔で、武器なども持つ。
「天」は、
  ヒンズー教などの神様を、
   仏教に採り入れた物で、
  帝釈天、大黒天などが有名。
と言うことになる。


 中断


 書き始めると、色々有り過ぎて、
なかなか書き切れない。

 で、
今日は、ここまでとするが、
参考になりましたでしょうか?