容疑者Xの献身 紹介 その1
・警視庁の「草薙刑事(北村一輝)」 は、難しい事件が有ると、
大学時代の同期で友人である天才物理学者「湯川学教授(福山雅治)」の知恵を借りて
事件を解決し、それで名を挙げて出世もしてきた。
・そんな湯浅教授のあだ名は、「ガリレオ」である。
・ある日、海上に停泊しているクルーザーが爆発され、
それまでも脅迫されていた人物が死亡する。
そこで、草薙刑事と後輩の「内海薫刑事(柴咲コウ)」は、湯川教授の元を尋ね、
ガウス加速器で離れたところからでも船を爆破出来る可能性を示され、
内海刑事は、驚きと敬服の念を覚える。
・場所が変わり・・・。
・「花岡靖子(松雪泰子)」は、2度結婚したが、
・2度目の夫「富樫慎二(長塚圭史)」が働かず暴力を振るい家庭が破壊されしまい、
1度目の夫との間に生まれた娘「美里(金澤美穂)」の将来を心配し、
・富樫から姿を隠し、スナックで働いてお金を貯め、それを元手に弁当屋を開き、
安アパートで、親子幸せに暮らしていた。
・しかし、それも束の間、富樫がアパートを突き止め、押し掛けてきて、
「お前は、俺から一生逃げられないんだよ。」
「美里も良い女になったな。後3年ほど経てば、キャバクラで稼がせなきゃな。」
と脅すので、
・富樫が靖子から巻き上げたお金を持ってアパートを出ようとした時、
美里がガラスの置物で富樫の頭を殴り、
怒り狂った富樫が美里を殴り蹴りの暴力を振るうのを止めようとした靖子は、
電気コタツのコードで首を絞め、美里は母を助け、コードを外そうとする富樫の手を押さえ、
とうとう富樫は死亡する。
・勢いで富樫を殺してしまった靖子と美里の親子が、どうしたらよいか狼狽していると、
・争いを薄い壁越しに聞いていた隣人の高校教師「石神哲哉(堤真一)」が訪ねてきて、
・親子の殺人をカモフラージュする手助けをしてくれる。
・石神が何故に親子を助けたかだが、
(映画の最後に分かることだけど、私はここで書いてしまうが)
石神は、大学時代、天才物理学者である湯川教授が、
「天才と言えるのは石神だけ。」
と言われる頭脳の持ち主だったが、寝た切りになった親を支える為に大学の研究室に残らず、
高校の数学教師として働いていた人間である。
そして、人生に絶望し、アパートの部屋の中で首つり自殺をしようとした時、
花岡靖子と美里の親子が引っ越しの挨拶に来た為、自殺を中止し、
靖子の美しさと優しさ、美里の素直さに触れ、仄かな愛を靖子に覚え、
それを生き甲斐に、生きてきた人間だからである。
・顔がグシャグシャに潰され誰かも分からないようにし、
また、歯の治療履歴も調べられないようにし、
手足が焼かれ指紋も分からないようにされた死体が発見されたが、
・捜査の結果、ポケットに旅館の部屋の鍵が出て来て、その旅館を調べると、
宿泊していたのが富樫であることが判明し、
・富樫が、以前、靖子が勤めていたスナックに行き、
靖子が始めた弁当屋の住所などを聞いていたことを突き止めた警察は、
靖子が富樫を殺害したと断定し、捜査を強めてきた。
・しかし、富樫が殺された夜、最大の容疑者である靖子と美里は、
食事に行った後、映画を観に行き、その後カラオケに行くなど、
崩せないアリバイが有る。
・その矛盾に苦しんだ草薙刑事と内海刑事は、湯川教授にアドバイスを受けに行く。
・容疑者の親子が住むアパートの隣人がかっての同期で自分が天才と認める石神だと知って、
湯川教授は、事件への関心を高めると共に、犯人の親子を助けているのが石神だと確信する。
・石神は、その卓越した論理力を以て、警察の捜査を先読みし、靖子と美里親子に、
「映画のチケットは最初から出さず、パンフレットに挟んでおき、警察に見付けさせろ。」
「映画館で美里の同級生に遇ったことは暫く言わないで、捜査が強まったら言うこと。」
などなど、警察を翻弄させる的確な指示を出していく。
・石神が背景に居ると感じた湯川教授は、石神を訪ね旧交を復活させながら、
徐々に石神に迫っていく。
・そんな湯川を冬山に誘った石神は、吹雪に倒れそうになる湯川を助けながら頂上に立ち、
「この事件を解決しても、誰も幸せに成らない。」
と、捜査から手を引くよう暗に告げる。
・そんな中、靖子がスナックで働いていた時の客である会社社長「工藤邦明(ダンカン)」が
靖子を訪ねてきて、その後、頻繁に靖子を食事などに誘い、親しさを増していく。
・それを見ていた石神は、工藤と靖子の行動を尾行し写真に納め、工藤に、
「花岡靖子に近づくと許さない。」とのメッセージと写真を送る。
・それを工藤から見せられた靖子は、石神の仕業だと考え、
石神からの電話にも出ようとせず、娘の美里から、
「私たちを助けてくれている石神さんをどうして避けるの!?」
と言われ、
「これから一生、石神さんを気にしながら生きて行かなきゃならないの?
それじゃあ、富樫が石神さんに替わっただけじゃないの!」
と叫ぶ。
・しかし、電話の向こうの石神は、
「郵便ポストに白色と茶色の封筒を1通ずつ入れておきました。
白い封筒は、今後、役に立ちますが、茶色の封筒は読んだ後、燃やしてください。
私と貴女たちが連絡を取り合うのはこれが最後です。」
と述べ、電話を切る。
・そして、
「自分が富樫を殺害した。」
と自首する。
・警察が石神のアパートの部屋を調べると、靖子たちの部屋側の壁には盗聴マイクが有ったり、
靖子のところに事情を聴きに来た草薙刑事や内海は、石神が送ったと思われる
脅迫の手紙を見て、石神の犯行と思わざるを得ないのであった。
・しかし、どうしても納得の出来ない内海は、湯浅のところに自分の疑問をぶつけに行くと、
・湯浅は、
「この事件の真実を見付けても誰も幸せに成らないけど、
警察としてではなく、友人として話を聞くなら、真実を明らかにしてみせる。」
と述べ、行動を開始する。
この後は、解説の第2弾をお楽しみに。