映画「空母いぶき」
2019.05.28

 映画「空母いぶき」が上映開始となり、評判が良いようだ。
 私も、今日(5月28日)に観て来たので、粗筋や良かった点、疑問点などを纏めてみよう。


 なお、インターネット上で書かれている、この映画への批判、
1)原作と違い過ぎる。
2)設定が不自然過ぎる。
3)中井貴一が店長を務めるコンビニのエピソードが、
 意味の感じられず、映画の流れを中断し、鬱陶しい。
などは、私も感じた。


 ただ、批判することによって、
「自分は、原作の理解者、支持者だ。」
との優越感みたいなものを持っている人たちもいるのではないかな?


 私も、3)は、本当に鬱陶しくて不必要だと感じるが、
1)と2)に関しては、
「これは映画なんだ。別物なんだ。」
と割り切れば、本当に面白い映画と、高く評価出来る私だが、皆さんはどうかな?


<原作との兼ね合い>

 この映画は、
・私が大好きな「沈黙の艦隊」などを描いている、
 漫画家「かわぐちかいじ」氏(70歳)の作品である、
 「空母いぶき」を原作とするもので、
・戦闘を余儀なくされた海上自衛隊員、
 戦争につながりかねない戦闘を許可するかどうか、
  判断に苦慮する総理大臣などの政治家、
 取材の為に空母いぶきに乗り合わせ、
  真実を伝えようとするジャーナリスト、
などの苦悩を描きつつ、戦争の無い世界を願う思いを訴える作品である。

 ただ、設定があまりにも無茶苦茶な面が有り、思わず苦笑いをしてしまったりする。
 と言うのも、
・「かわぐちかいじ」氏の原作では、
  中国の工作員が、漂流船を装い、
  尖閣列島の1つの島に上陸すると言う、
  現実感が有る設定なのに、
・映画では、
  東南アジアのフィリピンの近くに有る
  「カレドルフ国」と言う架空の国が、
  「東亜連邦」を組織し、
  日本の固有領土である架空の「波留間群島」初島に上陸占拠、
と設定されているからだ。

 今のややこしい時代に、中国を敵視する映画は作れないんだろうね。




<空母いぶきと護衛艦>

・「空母いぶき」は、日本の自衛隊が初めて持った、
 「航空機搭載型護衛艦」である。
・「専守防衛の自衛隊に、空母はそぐわない。
  空母は、攻撃の為の物では?」
 との野党からの追及が強かったが、政府は押し切った。

・最初から「空母」として建造された物でなく、
 ヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」を改良したものである。
 (護衛艦とは、自衛隊特有の、兵力をぼやかした呼び方で、
 本来の軍艦としては、駆逐艦、巡洋艦、イージス艦などのこと。)

・「空母いぶき」には、最新のステルス戦闘機F35が、
 15機搭載されている。

・艦長は、航空自衛隊パイロット上がりの「秋津竜太」で、
 副艦長は、海上自衛隊一筋の「新波歳也」で、
 二人は、防衛大学時代から出席を争うライバル。
・パイロット上がりの「秋津竜太」が艦長になったのは、
 「いぶき」が空母の為で、
 アメリカ軍で、空母の艦長は空軍出身者が就く、
 との慣例を真似たことからだそうな。

・「空母いぶき」は、第5護衛隊群の旗艦であり、
 他に、
  イージスミサイル護衛艦、
  汎用護衛艦、
  潜水艦、
  RF−4EJ偵察機、
 などで組織されている。


<映画でのキャスト>

・湧井継治「第5護衛隊群群司令」−−−藤竜也
・秋津竜太「いぶき」艦長−−−−−−−西島秀俊
・新波歳也「いぶき」副艦長−−−−−−佐々木蔵之介
・淵上晋「第92飛行群群司令」−−−−−戸次重幸
・迫水洋平「アルバトロス隊隊長」−−−−市原隼人
・柿沼正人「アルバトロス隊パイロット」−−平埜生成
・浦田鉄人「護衛艦「あしたか」艦長」−−工藤俊作
・浮船武彦「護衛艦「いそかぜ」艦長」−−山内圭哉
・瀬戸斉明「護衛艦「はつゆき」艦長」−−玉木宏
・清家博史「護衛艦「しらゆき」艦長」−−−横田栄司
・滝隆信「潜水艦「はやしお」艦長」−−−高嶋政宏
・垂水慶一郎「内閣総理大臣」−−−−−佐藤浩市
・石渡俊通「内閣官房長官」−−−−−−益岡徹
・本多裕子「ネットニュース記者」−−−−本田翼
・中野啓一「コンビニ店長」−−−−−−中井貴一
・森山しおり「コンビニアルバイト店員」−−深川麻衣
・田中俊一「大手新聞記者」−−−−−−小倉久寛


<事件の勃発と第5護衛隊群の出動>


 中断