韓国映画
「悪魔を見た」の粗筋とネタバレ



・常に、北朝鮮との緊張感に有る所為か、
・はたまた、民族性の所為か、
分からないが、
韓国映画の残虐性には、
驚いてしまう。

 と言いながら観るのだから、
何をか言わんや、
であるけどね。



 そんな中、
如何にも韓国映画らしく、
残虐で、嫌な映画を観てしまった。

 と言うことで、
記録と記憶に残すべく、
粗筋とネタバレを書き残す。



<事件の勃発>

・中年男の「ギョンチョル」は、
 進学塾のスクールバスの運転手である。
・「ギョンチョル」には、隠れた性癖が有り、
 若い女性を誘拐し、痛め付け、レイプし、
 最後、自作のギロチン(首切り機)で首を切り、
 野原などに遺体を捨てて、
 犯行を隠していた。

・国家情報院捜査官の「スヒョン」は、
 ソウルの重犯罪課の
 刑事「チャン」の娘「ジュヨン」と、
 一か月前に婚約したばかりで、
 幸せの絶頂にあった。

・雪の夜、「ジュヨン」は、帰宅途中に、
 車がパンクして、道路の端に車を停め、
 「スヒョン」に電話。
 レッカー車を待つことにして、車中で待っていた。
・そこに、「ギョンチョル」が現れ、
 しつこく、自分のバスに乗るように誘う。
・「スヒョン」の指示で、
 ドアをロックし、レッカー車を待とうとしたが、
 「ギョンチョル」は、窓ガラスを割り、
 「ジュヨン」を引っ張り出し、
 自分の納屋に連れ去る。

・「ギョンチョル」の納屋は、
 誘拐した女性たちを、いたぶり、レイプして、
 最後は殺す、隠家だった。

・傷付けられた「ジュヨン」は、
 ”妊娠しているので、命だけは助けて。”
 と頼むが、聞き入れられず、
 手製のギロチンで首を撥ねられ、
 殺されてしまう。

・「ギョンチョル」が、
 「ジュヨン」の遺体を処理する時、
 指輪が抜けて、溝のグレーチングに落ちる。

・「ジュヨン」はバラバラに切り刻まれ、
 遺体は、川沿いの草原に捨てられ、
 遊んでた子どもたちに発見される。


<犯人捜し>

・「ジュヨン」が消息を絶つ直前まで、
 電話で話していた「スヒョン」は、
 「ジュヨン」を救えなかった自分を責め、
 復讐を誓う。

・半月の休暇願いを貰った「スヒョン」は、
 4人の容疑者の情報を手に入れる。
・そして、一人ずつ容疑者を調べ、
 時には、暴力的に締め上げて、
 犯人かどうかを確認して行く。

・3人目の容疑者は、「ギョンチョル」で、
 「スヒョン」は、保険外交員を装って、
 「ギョンチョル」の両親と息子に会い、
 息子から父親の住処を教えてもらう。

・「スヒョン」が「ギョンチョル」の納屋に行き、
 中を調べる内に、「スヒョン」の指輪を見付け、
 「ギョンチョル」が犯人だと、確信する。


<復讐の始まり>

・勤め先の学習塾に、
 警察が事情聴取に来たと知り、
 「ギョンチョル」は、学習塾生を拉致して、
 逃げ、そこでも、女子生徒をいたぶろうとする。

・そこに、「スヒョン」が現れ、
 女子生徒を逃がし、
 「ギョンチョル」を痛め付け、
 左腕をへし折り、
 右足のアキレス腱を切断し、
 不自由な身体にし、
 意識を失った「ギョンチョル」に、
 GPS装置入りのカプセルを飲ませ、
 解放する。

・意識を取り戻した「ギョンチョル」は、
 「スヒョン」が自分を殺さなかったことに
 不思議さを感じながら、
 強盗などの犯行を繰り返し、逃げる。

・しかし、
 「ギョンチョル」が犯行を重ねようとする度に、
 「スヒョン」が現れて、自分をいたぶりるので、
 ”ひと思いに殺せ。”
 と喚くが、「スヒョン」は、殺さず、逃がす。


<逆襲>

・「ギョンチョル」には、
 同じく殺人を趣味とする仲間が居て、
 その仲間の居場所に逃げ込む。
・その仲間は、若い姉妹を襲い、
 姉を殺し、次は、妹を殺す準備をしていた。

・「ギョンチョル」は、仲間に、
   自分が襲われる、
   自分の居場所を突き止められる、
   何故か、ころされない、
 などを話すと、仲間は、
   ”襲ってくる男は、被害者の家族だろう”、
   ”お前を狩って楽しんでいるんだ。”
 と教える。
・それを聞いた「ギョンチョル」は、
 無くなった指輪から、「ジュヨン」の身内だと推察し、
 反撃を企む。

・仲間と一緒にいた場所でも
 「スヒョン」が現れ、仲間は殺され、
 「ギョンチョル」は、またもや逃がされる。
・自分の居場所が、「スヒョン」に見付かるのは、
 身体の中に発信機を入れられたからと考え、
 「ギョンチョル」は薬局を襲い、
 大量の下剤を飲み、便を出し、
 GPSカプセルを見付け、他人に飲ませる。
・GPS発信機の場所が動かなくなったので、
 不審に思った「スヒョン」が駆け付けると、
 見知らぬ他人が倒れていて、
 そこから電波が発信されていた。

・「ギョンチョル」は、
 自分を襲う「スヒョン」が、
 自分が殺した「ジュヨン」の婚約者だと知り、
 今まで自分を痛め付けた仕返しに、
 「ジュヨン」の父親である刑事「チャン」を重症にし、
 「ジュヨン」の妹をレイプし、殺す。


<虚しい復讐の終わり>

・「ギョンチョル」は、
 「スヒョン」が自分に手を出せないよう、
 警察に、自首すると、連絡する。

・警察が、「ギョンチョル」が来るのを待つ中、
 「スヒョン」の運転する車が突入し、
 「ギョンチョル」を拉致して行く。

・「スヒョン」は、
 「ギョンチョル」を縛り付け、
  ”怖いか?”
  ”自分の罪を思い知ったか?”
 と聞くが、
 「ギョンチョル」には、恐怖も改悛の情もなく、
  ”寝ぼけたことを言うのは、止せ。”
  ”お前は、俺に負けたんだよ。”
  ”俺は、恐怖も苦しみも知らない。”
 とあざ笑う。
・「ギョンチョル」は、正に、悪魔であったのだ。

・それを聞いた「スヒョン」は、
 最後の手段に出る。、
・それは、
  1)「ギョンチョル」をギロチンに下に縛り、
  2)ギロチンが落ちないようにロープを着け、
  3)そのロープを入り口のドアに通し、
  4)ロープの端っこを「ギョンチョル」にくわえさせ、
  5)ドアを開けると、
    「ギョンチョル」の口からローップが外れ、
    ギロチンが落ちて来て、
    「ギョンチョル」の首をはねる。
 と言う仕組みだった。

・そして、
 「スヒョン」は、
 「ギョンチョル」の両親と息子を電話で呼び出し、
 納屋に来させた。

・何も知らない家族は、
 外から「ギョンチョル」に声を掛け、
 驚いた「ギョンチョル」は、
 ロープを口から離さないようにしながら、
  ”ドアを開けるな。帰れ。”
 と叫ぶ。

・しかし、「ギョンチョル」の声が聞こえたので、
 家族が、ドアを開けると、
 「ギョンチョル」の口からロープが外れ、
 ギロチンが落ちて来て、
 「ギョンチョル」の首がはねられ、
 家族の足元に転がって来た。

・納屋を離れながら、
 「スヒョン」は、虚しさに慟哭する。


<まとめと感想>

・勿論、自分の手で復讐するのが、
 倫理的、社会正義的には、正しくない。
・しかし、百歩譲って、
  「自らの手で復讐したい気持ちは
   理解出来る」、
 と言うことから考えてみる。


・愛する婚約者を殺された「スヒョン」が、
 犯人を思いっ切り痛め付け、
 殺人を後悔させようとした。
・しかし、相手は、
 想像以上に、残虐で、強靭で、
 後悔や恐怖も感じない、
 人間ではなく、悪魔だった。

・結果、
 「スヒョン」が、「ギョンチョル」を、
 一思いに殺さなかった所為で、
 「ジュヨン」の妹まで巻き添えになり、
 殺されてしまった。


 最後に、
「ギョンチョル」に、
  「家族を関わらせることで、
   人間的な恐怖を思い出させる」
ことが出来たと言うことだろうか?

 と言うのも、
両親に、
自分の息子の首をはねさせることで、
家族に、死ぬまで消えない苦痛を負わせ、
「ギョンチョル」にも、それを想像させ、
”死んでも消えない苦しみを与えた。”
のだろうか?


 嫌な映画だったねえ。