野球用語解説
私が書くまでも無い事だが、自分への備忘録として。
フォーシームとツーシーム
昔は、変化をしない真っ直ぐな球を、「直球・ストレート」と言っていた。
しかし、最近は、野球の科学も進み、色々なボールの投げ方が研究され、ストレートでも、異なった投げ方が編み出されてきた。
結果、コンピューターでの分析・解析を活用するMLB(メジャーリーグベースボール)では、ストレート(直球)を、
・フォーシーム、
・ツーシーム、
に分けて、扱っている。
本来のストレートは、
1)ピッチャーがボールを持つ時は、
・シーム(縫い目)に、
・人差し指と中指の腹を当てて握り、
2)投げる時は、
・指の腹で、シームを擦り、
・ボールに、逆回転を与え、
・ボールに浮き上がるような力を与える、
投げ方が正統である。
で、バックスピン(逆回転)をさせる力が強いほど、引力でだんだん高さが落ちて行くボールを、浮き上がらせる力で、少しでも落ちるのを防げると、
「打者の手元で、浮き上がるようなストレート」
となるのである。
これが「フォーシーム」であるが、ボールの球筋が綺麗で、狙ったところに投げ易く、速球派のピッチャーが好んで投げるボールであり、これが球(ボール)を投げる基本で、少年では、フォーシームを綺麗に投げられるように教えることから始めるべきである。
球筋が綺麗で、正々堂々としたストレートなので、「綺麗なストレート」と呼ばれたりする。
欠点は、球筋が見え易いので、剛速球でもバットに当て易いことである。
ツーシームは、比較的新しいストレートである。
昔から投げる人は居たのだろうが、科学的に分析定義されたのは、最近である。
投げる時、フォーシームほどはバックスピン(逆回転)を掛けないので、空気抵抗でボールが微妙に揺れたり曲がったりするので、打者の手元で変化する為に打ち難かったり、バットの芯を外させたりできるボールである。
そこで、球筋の特徴から、人によっては、「汚いストレート」と呼ぶ人もいるほどである。
欠点は、狙った所から外れることである。
なお、バッターは、手元で小さく変化するのに対応する為に、ボールを引き付けて変化を観ながら打つようにする。
この「ツーシーム」は、球速が150km前後のピッチャーでも、ストレートととして投げればコースを狙えるし、加えて心を外せ打ち取れるので、MLBのピッチャーの中でも主流になりつつある。
2018年4月11日に、「大谷翔平」選手がMLB初の代打で対戦したのが、「ツーシーム」を投げる45歳の「コローン」投手で、「大谷翔平」選手もバットの芯を外され、ゴロに終わったなあ。
「テキサス・レンジャーズ」所属のコローン投手は、
・MLB20年の強者で、
・20年間の通算成績は、240勝176敗の実績を持ち、
・30代前半の頃は、フォーシームの剛速球を投げ、
・MLB投手最高の名誉「サイ・ヤング」賞も受賞、
するほどのピッチャーだったが、45歳になって速球のスピードが落ちたが、まだメジャーで投げられるのは、ツーシームが有るからだろう。
DH(指名打者)制度
この制度は、
・ピッチャーの負担軽減、
・打撃の振るわないピッチャーの代わりに、
ピッチャーに打順が来た時は、
指名された選手がバッターとして打撃することで、
得点が入り易くして、試合を面白くする。
制度である。
また、
・普通のピッチャーがそのまま打席に入るなら、
打撃が振るわないので、打順は8番か9番になるが、
・「エンゼルス」の場合、
「大谷翔平」選手や「プホルス」などがDHになるので、
2番でも3番でも4番でも5番でも好きな打順に置けるので、
とても使い易い
制度である。
「エンゼルス」は、「コロラド・ロッキーズ」とのリーグを跨いだ交流試合を行なったが、これが、問題。
と言うのも、「コロラド・ロッキーズ」は「ナショナル・リーグ」に所属するチームなので、「DH・指名打者」制度を採っておらず、「大谷翔平」選手は、DH指名打者で出場出来ないのである。
では、ピッチャーで出れば良いのだが、先日、「シアトル・マリナーズ」との試合で投げたばかりなので、無理はさせられないんだよね。
結果、7回の負けている時に、代打(ピンチヒッター)で出たけど、1塁ゴロに終わってしまった。
如何に「大谷翔平」選手と言えども、1回限りの代打では、なかなか結果を出せないよね。
明日も「コロラド・ロッキーズ」との対戦なので、多分、代打しか出ようが無いだろう。
残念だけど、我慢だねえ。
なお、試合前の打撃練習で、「大谷翔平」選手は、150m160mのホームランを連発し、観客やメデイアが仰天していたそうな。
コロラドは高地に有り、空気が薄いので空気抵抗が少なく、打球が遠くに飛ぶそうだけど、「大谷翔平」選手は桁違いの飛距離だったそうな。
ちょっと嬉しい話題である。
ホームランを打てると良いのにね。
自責点と失点
自責点とは何か?
日本時間5月14日の「ツインズ」戦のこと。
「大谷翔平」選手が投手として、
・7回の表の1アウトまで取り、
・次の打者をフォアボールで出した時に、
ピッチャー交代となったが、
その時点では、1−0で「大谷翔平」投手に
勝ち投手の権利が有ったのに、
・代わりに投げたピッチャーが、連続でヒットを打たれ、
1点を取られた時点で、「大谷翔平」投手の勝ち投手は消え、
・取られた1点も、「大谷翔平」投手の自責点にされた、
ことが有った。
すると、かみさんが、
「大谷選手がヒットを打たれたのでないのに、
何で、大谷選手の自責点になるんですか?」
と聞いて来る。
確かに、そんなに野球に関心の無い人には分からない理由だろう。
かみさんにしても、中学生の頃にソフトボールをしていたんだが、でも、
「勝ち投手が誰だったかとか、
自責点は誰に点いたのか?」
とかを意識することは無かっただろうからね。
そこで、解説しておくと、
・自責点と言うのは、
点数が入る原因を作ったピッチャーが背負わされるもので、
・今日の試合の場合、
「大谷翔平」投手が出したフォアボール(四球)のランナーが
ホーム(本塁)に帰って来たので、「大谷翔平」投手の責任点数になり、
・ヒットを2本も打たれたピッチャーには、自責点が付かない。
のである。
「大谷翔平」選手のファンにしてみれば、
「ヒットを2本も打たれたリリーフのピッチャーが悪いのに。」
と言いたくなるだろうけど、ルールがそうなっているので、仕方が無いね。
失点だが、例えば、野手がエラーをしてランナーが出て、それが起因となって点数が入った場合は、ピッチャーの責任ではないので、自責点は付かない。
とは言っても、野手に自責点を付ける制度は無いので、ピッチャーの「失点」として扱うことになっている。
勝ち投手の権利
日本時間5月14日の「ツインズ」戦のこと。
「大谷翔平」選手が投手として、
・6回までに、
・11個の三振を奪い、
・打たれたヒットは、たったの3本だけ、
・取られた点数は0点、
と言う素晴らしい投球を示した。
ところが、
・7回の表の1アウトまで取り、
・次の打者をフォアボールで出した時に、
ピッチャー交代となったが、
その時点では、1−0で「大谷翔平」投手に
勝ち投手の権利が有ったのに、
・代わりに投げたピッチャーが、連続でヒットを打たれ、
1点を取られた時点で、「大谷翔平」投手の勝ち投手は消え、
・取られた1点も、「大谷翔平」投手の自責点にされた、
ことが有った。
中学生時代にソフトボールをしていて、野球型のスポーツは良く分かっているはずのかみさんが、
「あんなに素晴らしいピッチングをした大谷選手が、
何で、勝ち投手になれないん?」
と聞いてきた。
実は、
・例え、どんなに良い投球をしていて、
交代をするまでに勝っていても、
・後を投げたピッチャーが、
打たれて同点にされたり、逆転されたら、
・その時点で、勝ち投手の権利を持ちながら降板したピッチャーの
勝ち投手の権利が消える。
ことになっている。
それまでどんなに良いピッチングをしていても、どんなに悪いピッチングをしていても、同点になった時点で、勝ち投手も負け投手も無くなるのだ。
それがルールで、好投していた投手にしても、そのピッチャーを応援しているファンとしても、やるせないね。
その後、新たに点数が入った時点で投げていたピッチャーが、勝利投手になることになっている。
それがルールだ。
ただ、
・日本人は、
勝ち投手になった回数が多いと「良いピッチャー」と考えることが多いが、
・合理的な考え方をするアメリカでは、
良いピッチングをしても勝ち投手になれないことで
正当な評価をしてもらえないピッチャーを救うために、
勝ち数よりも、
・9回を投げたら何点取られることになるかと言う「防御率」、
・一年間に200イニング(回)以上を投げた頑張り、
・6イニング以上投げて、3点以下に抑えた「クオリティスタート」、
・奪三振数、
などを大きく評価する
傾向に有る。
良いことだと思うね。