ファンタジー小説「しゃばけ」シリーズの背景
<一太郎の家系>
・主人公「一太郎」の祖母「ぎん」は、「皮衣(かわごろも)」と呼ばれる
3000年生きている「大妖(たいよう=おおあやかし)」なのだが、
・武士だった普通の人間「伊三郎」と結ばれ、
廻船問屋「長崎屋」を興し成功させ、評判の商人になる。
・そして、「江戸一番の弁天様」「雪でできた花のよう」と褒め称えられる
美しい娘「たえ」を産む。
・「たえ」は、半分「妖(あやかし)」の血を受けているので、
周りには「妖(あやかし)」が居て、「たえ」を守っている。
・その「たえ」には大商人や大名などからも縁談が有ったが、
「たえ」は、長崎屋で働いていた手代「籐吉」を婿に選び、
「籐吉」は「籐兵衛」と改名し、長崎屋を発展させる。
・「たえ」は「籐兵衛」との間に男の子を産むが、
あっと言う間に死んでしまい、「たえ」は悲しみに落ち込む。
・「たえ」の悲しみを見た母親の「ぎん」は、
自分が天界の「荼枳尼天」の下に行って仕える代わりに、
男の子を生き返らせる。
その男の子が「一太郎」で、三途の川から戻って来たのである。
・せっかく生き返った「一太郎」だが、極めて身体が弱く、
しょっちゅう熱を出したり死に掛けたりする。
・ただ、「一太郎」には「妖(あやかし)」の血が1/4入っているので、
普通の人には見えない「妖(あやかし)」が見え、怖がらないので、
「一太郎」が居住する離れには、自然と「妖(あやかし)」が集まり、
その「妖(あやかし)」たちに守られ、賑やかに日々を暮らしている。
<「妖(あやかし)」や変な神たち>
「妖(あやかし)」の血を引く「一太郎」の周りには、多くの「妖(あやかし)」が集まり、時には「一太郎」を助けるが、時には「一太郎」を危機に陥れることがある。
その「妖(あやかし)」たちだが、
1)佐助と仁吉
身体の弱い「一太郎」を守る為に、
祖母「ぎん」が長崎屋に派遣した2人は、
1000年も生きて来た能力の高い「妖(あやかし)」で
・佐助(犬神)
犬の絵の化身。
厳つい顔、身長六尺、力が強く建物も破壊する。
廻船問屋の手代として、水夫などを仕切る。
・仁吉(白沢)
男前で娘に大人気、大変な博学。
薬種問屋の手代として、薬作りに精通。
の2人である。
2)鳴家(やなり)
着物の袖(そで)に入れるほど小さい小鬼で、
顔は怖いけど、家をぎしぎしと軋ませるしか出来ない。
3)付喪神(つくもがみ)
物や生き物が壊れたり死んだりせずに100年経つと、
特別な力を身に着け、喋ったり出来る存在になる。
「一太郎」の側に居る「付喪神(つくもがみ)」には、
・屏風のぞき
古い屏風が化(ば)けた付喪神(つくもがみ)で、
市松模様の派手な石畳紋の着物を着ている。
若旦那の遊び相手、碁相手。
・鈴彦姫
湯島聖堂近くのお稲荷様に仕えている鈴の付喪神。
・ お獅子
一太郎の持つ古い印籠の蒔絵の獅子が付喪神となったもの。
4)その他の「妖(あやかし)」や神様
・野寺坊
一太郎を助けてくれる力を持った妖(あやかし)。
背が低く、貧乏くさい僧衣を着た坊主。
・獺(かわうそ)
あでやかな振り袖を着た小姓姿の美しい「妖(あやかし)」。
・見越の入道
貧乏くさい僧の格好をしているが、仁吉や佐助より上の「妖(あやかし)」。
一太郎を心配する祖母の使いをする。
・蛇骨婆
白髪頭の老婆のような姿の「妖(あやかし)」。
・金次
ガリガリに痩せた貧乏神。
「一太郎」の話し相手、囲碁相手。
などである。