23年前
・第56回2010年度「江戸川乱歩賞」受賞の、
・横関 大(よこぜき だい)氏 作、
・「再会」
の粗筋を、紹介する。
<仲良し4人組>
・神奈川県三つ葉市に住む、
「岩本万季子」、「清原圭介」、「佐久間直人」、「飛奈淳一」は、
現在小学6年生だが、小さい時からの仲良し4人組。
・4人は、「圭介」の父親であり、警察官で、駐在所勤務の「清原和雄」が教える
剣道教室で学び、 市の剣道大会で、
4人では団体優勝、
個人戦では、「淳一」が優勝、「圭介」が準優勝、
の成績を挙げる仲でもあった。
・「万季子」は、気が強くて、男勝り。
しかし、スタイル抜群の美少女である。
・「圭介」は、4人のリーダー的存在である。
・「直人」は、「佐久間」財閥の次男で、裕福な家庭だが、
性格的には気が弱い。
・「淳一」は母子家庭で、経済的には貧しい。
強い体と精神力を持っている。
父を亡くしているので、「圭介」の父を慕い、
「圭介介の父も、淳一を可愛がっていた。
<事件の発生>
・6年生の10月、
改造ピストルを持って銀行を襲った「大島」と言う強盗が、
3千万円を奪った上、発砲して通り掛かりの主婦を撃ち殺し、
逃亡する事件が発生した。
・4人は、「みはる台公園」の奥に有る川に行き、
沢ガニ取り競争を約束をしてたので、
銀行強盗事件の所為で外出禁止になったと言うのに、
こっそり出掛け、川に辿り着く森に入って行く。
・釣り人などが着けた獣道を100mほど進むと、Y字の分かれ道に来て、
「万季子」と「圭介」は右の道を、
「圭介」と「直人」は左の道を、
進んだ。
・「淳一」と「直人」が進んだ先で、
2発の銃声がし、
続けて2発の銃声が、
聞こえた。
・気の強い「淳一」は、「直人」を岩の陰に隠れさせ、
自分は、銃声の有った方に近づく。
・そして、警察官の制服を着た「圭介」の父親が、
倒れている姿を発見する。
・そして、10mほど先に、男の姿を発見。
・「淳一」と「大島」は睨み合っていたが、
「大島」が背を向けて逃げようとする。
・父のように慕っていた「圭介」の父ちゃんを殺されて、
このまま逃がしたくないと思った「淳一」は、
「圭介」の父親の横に落ちていた拳銃を拾い、
吊り紐が短いので、中腰になって狙いを定め、
拳銃を打つ。
・すると、強盗犯「大島」は、背中を撃ち抜かれ、倒れる。
・拳銃を置いて引き返した「淳一」は、
「直人」を見付け、警察を呼びに行くよう、指示する。
・そして現場に戻った時に、「圭介」と「万季子」も来る。
・「淳一」は、「圭介」に、
”来るな。”
と止めるが、「圭介」は駆け寄り、父の遺体を観る。
・「淳一」は、
”俺が来た時、もう駄目だった。”
”あっちに人が倒れている。
「圭介」の父ちゃんが、最後に打ったんだと思う。
多分、あいつが犯人だろう。”
と言う。
・父親の遺体を観て、涙を流す「圭介」は、
動転してか、形見にするつもりか、
父親の拳銃をベルトから外して、隠し持つ。
・その拳銃こそ、日本の警察官制式拳銃の
ニュー・ナンブM60だったのである。
<事件の影響>
・警察は、
強盗犯の「大島」の死亡を確認したが、
3千万円は見付からないし、
「清原」巡査の拳銃も無くなっていることから、
”共犯者がいたはず”
と判断するが、捜査の進展は無かった
・4人は、小学校の卒業式前日の夜に、
校庭の桜の木の下に、
クーラーボックスを改造したタイムカプセルを埋め、
その中に、拳銃も入れて埋め、
ダイヤル式の錠も着けておいた。
・その後、
父を亡くした「圭介」は、親戚を頼って三つ葉市を離れ、
リーダーの「圭介」が居なくなった3人は、
結び付きが弱くなって、つるんで遊ぶことも無くなった。