怪物の木こり 粗筋とネタバレ
第三部「脳チップ」



 小説の構成は無視して、時系列で並べてあります。


<脳泥棒と脳チップが結び付く>

・第1犠牲者の「石川真澄」の脳内に、
 脳チップが埋められていたとの情報が得られ、
 更に調査すると、「石川真澄」に関わっていた医師が、
 事故死していたことが分かる。
・5人目の犠牲者である「小林光彦」が住んでいた近くの
 医師と看護婦が殺害される事件も起きていた。

・これらの情報から、「戸城嵐子」と「乾登人」は、
  ”「石川真澄」も「小林光彦」も、
   最初は、自分の脳に脳チップが埋められていたと知らなかったが、
   知ってからは、それを隠そうとして医師などを殺したのだろう。”
  ”殺され、脳を奪われた被害者は、
   自分が覚えてない子どもの頃に脳チップを埋められて、
   児童養護施設に捨てられていたのではないか?”
 と推理し、その考えを捜査一課の係長に伝える。
・それに対して、係長は、
  ”子どもが誘拐され、脳チップを埋められたとするなら、
   26年前の「東間翠」による児童誘拐殺人事件だろう”
 と答え、全てが結び付く。

・「戸城嵐子」や「乾登人」らは、「東間翠」を逮捕した、
 当時の刑事「北島信三」を招き、当時の様子を聞く。
 「北島信三」は、
  ”東間翠は、脳チップを埋めることで、
   子どもたちをサイコパスにしようとしていた。”
 と伝える。


<脳チップを埋められた子どもたち>

・「北島信三」は、
  ”東間翠の実験は、成功したのだろうか?”
 と問い掛け、それに対して、係長は、
  ”残念ながら、実験は成功した可能性が高いです。”
 と答え、児童養護施設に捨てられていた子どもたちが、
 色々な犯罪を起こしていること、殺人も犯している可能性が高いこと、
 などを伝える。
・「戸城嵐子」が、「北島信三」に、
  ”北島さんに助けられた4人の子どもたちは、どうだったのですか?”
 聞くと、「北島信三」は、
  ”4人もみな問題を起こしている。
   中でも特に危険なのは、君らの方が詳しいだろう。”
 と答え、それを受けて、「乾登人」は、
  ”助けられた時に、ベッドに寝かされ点滴を打たれていたのは、
   「タケシ君」こと「剣持武士」なんだよ。”
 と答える。

・捜査方針の検討の結果、
  「剣持武士」など、救出された4人の保護を強化すること、
  「二宮彰」を、再度調査すること、
 などが決められ、それぞれが行動する。


<二宮彰の激変>

・「杉谷九朗」も、「二宮彰」に「東間事件」のことを教え、
  ”「東間翠が、彰君の脳にも、脳チップを埋めたのだろう。」”
 と伝える。
・それを聞いた「二宮彰」は、
  ”俺と言う人間は、いったい何なんだろう?”
 と不安になり、初めて恐怖を覚えるのであった。

・「杉谷九朗」は、「二宮彰」に、
  ”彰君は、脳チップの所為でサイコパスとして生きて来たが、
   脳チップが壊れたことで、
     子どもを殴る人間に怒りを覚えたり、
     人を刺そうとすると手が震えたり、
     映画が好きになったり、
   サイコパスと呼べない人格になるかもしれない。”
  ”それが嫌なら、脳チップを入れ替える手術をするしかないかも。”
 と教え、その為に、もっと東間翠などを調べることにした。

・「二宮彰」は、
 自分が捨てられていた児童養護施設「のぞみ園」を訪ねる。
 何故か、「映美」も同行して来た。「映美」は、
  ”強盗に襲われ、頭を割られ、人生観と性格が変わったのかも?”
 と思っているようだった。

・「二宮彰」が「のぞみ園」で暮らしていた時、
 一番話し掛けてくれた「良子先生」が居て、
 「二宮彰」の子どもの頃の話をして、「映美」と盛り上がる。
・「映美」に席を外してもらい、東間翠・和夫夫婦の写真を見せて、
 自分が「のぞみ園」に捨てられてた様子などを聞くが、
 何の手掛かりも得られなかった。

・帰り間際、「二宮彰」が子どもの頃にしょっちゅう歌ってた歌の話になった。
・「のぞみ園」を出て帰る途中、「映美」が、「良子先生」から教えてもらった
 「二宮彰」がしょっちゅう歌っていた「おやすみ」と言う歌を歌いだした。
 すると、何故か、「二宮彰」の頬を、涙が伝い、ギョッとした「映美」が、
  ”えっ、どうしたの?”
 と聞き、それをきっかけに、とめどなく涙があふれて、その場に膝を突いた。
・動けなくなった「二宮彰」に、「映美」は、
  ”仕方無いな。今だけはこうしてあげる。好きなだけ泣きなよ。”
 と言い、抱きしめてくれる。
・「映美」の体温の温かさの中に沈み込み、
 「二宮彰」は、子どものように泣きじゃくるのであった。


<戸城嵐子と剣持武士、二宮彰>

・「二宮彰」の捜査担当になった「戸城嵐子」は、
 脳に脳チップを埋められていないか確認する為、「二宮彰」に電話し、
  ”貴方の頭蓋骨のCT撮影画像を観ても良いか?”
 と確認する。
・「二宮彰」は、
  ”杉谷病院の「杉谷九朗」医師が担当なので、見せてもらって良い。”
  ”ただし、警察に調べられていると知れると、
   自分の仕事に影響が出て来るので、
   この話は、杉谷医師だけにして、たの人には言わないでほしい。”
 と了解する。
・許可を得たので、「戸城嵐子」は杉谷病院に行き、
 「杉谷九朗」医師に、「二宮彰」のCT画像を見せてもらうが、
 そのCT画像には、脳チップは写っていなかった。

・「二宮彰」は脳泥棒のターゲットではないと判断した「戸城嵐子」は、
 どうしても行きたかった「剣持武士」の家に行き、そこに居た刑事に、
  ”東間翠の元から、剣持武士と一緒に助け出された4人の1人である、
   佐々木が、10日程前に殺されて、庭に埋められていた。”
 と教えてくれる。

・そんな話をしている時、
  ”お前ら、人の家の前で、何をしてるんだ。”
 と、「剣持武士」が帰って来た。
・「剣持武士」に、
  ”脳泥棒が、昔、誘拐されて脳チップを埋められた子どもたちを狙い、
   次々と殺害している。”
  ”私たちが、貴方を守る。”
 と言うが、「剣持武士」は、その提案を拒否し、
  ”脳泥棒が襲って来たら、逆に殺してやる。
   正当防衛なら、事故に見せ掛ける必要も無いだろう”
 と、うそぶく。

・そんな中、「剣持武士」と一緒に救出された3人の内の、
 殺された佐々木以外の2人は、既に殺されて、埋められていた。
・埋められていた場所は、
 自分の2歳の娘をサイコパスに殺され、サイコパスを無くす為に、
 「東間翠」の人体実験に協力していた、資産家の「金木満治」の家で、
 「金木満治」も殺され、一緒に埋められていたのである。

・脳泥棒殺人犯は、「東間翠」が逮捕される前に、
 脳チップを埋められ児童養護施設捨てられていた子どもだった6名以上、、
 逮捕された時に救出された4人の内の3人を殺し、
 残っているのは、「剣持武士」と「二宮彰」だけになった。

・脳泥棒殺人犯は、「東間翠」の支援者から、捨て子の情報を得て、
 「二宮彰」も脳チップを埋められている捨て子と知っているが、
 警察は、「二宮彰」に騙され、「二宮彰」のことをターゲットから外しているのだ。