歳時の学習室
お節料理のあれこれ

 「お節料理」に付いて、纏めておく。

 なお、
Wikipediaなどを参考にしての記述なのを、
明確にしておく。


<お節料理の目的>

 お節料理は、
「お正月に、バタバタしなくて済むよう、
  事前に料理を作っておいて、
   ゆっくりと休む為の保存食。」
と思っている人が多いだろう。


 しかし、元々の起源は、
お正月に各家にお越しくださる
神様へのお供えの料理で、
正しくは、「御節供」と言う。


 なお、
「御節」とは、
季節の変わり目の「節句(せっく)」のことで、
・例えば、1月7日は「人日(じんじつ)」と呼び、
  七草がゆを食べて、健康を願うように、
・一年の始まりの1月1日は、大切なので、
  立派な料理を作ってお供えする、
のだそうな。



 ただ、それだけでなく、
・お正月は、静かにして、神様を敬う為に、
・台所で音を立てないようにする為、
  お供えのお裾分けを頂き過ごす、
と言う意味も有るそうな。



 そんな流れから、
お節料理は、
料理の手抜きの保存食
になったようだ。



<食材の説明>

 お節料理の食材を紹介すると、

祝い肴 食材  意   味 祝い肴
   叩きゴボウ ゴボウが深く根を伸ばすように、
家が繁栄するよう。
関西の
祝い肴
関東の
祝い肴
黒豆 まめに(勤勉に)働けて、
まめに(健康に)暮らせるように。
数の子 子沢山で、家が繁栄するよう。
ごまめ
(田作り)
カタクチイワシの幼魚を干したり、
硬く煮たりした物で、
昔は、田んぼの肥料に入れたので、
豊作を願って食べる。
 
無くても
良い肴
紅白の
かまぼこ
半円形が、「初日の出」に似てるから、
紅はお祝いを、白は神聖を、表す。
無くても
良い肴
海老(えび) 腰が曲がるまで長生き出来るように。
昆布巻き 「こんぶ」=「よろこぶ」の掛け言葉。
栗きんとん 栗は「勝ち栗」とも呼ばれて縁起が良い。
伊達巻
だてまき
魚介類のすり身やだし汁を入れた
卵焼きだが、巻物のようで、知識を表す。
その他 自分の好きな物を入れれば良い。

上の表のようになる。


 しかし、
これだけ多くの種類の肴(さかな)を揃えるのは、
とても大変だ。


 そこで、
・関東では、
   ごまめ(田づくり)、
   黒豆、
   数の子、
  の3品を揃えれば良い、
・関西では、
   ゴボウ(叩きゴボウ)、
   黒豆、
   数の子、
  の3品を揃えれば良い、
と言われている。

 これは、
「祝い肴三種」
と言われるそうな。



 やれやれ。
 良かった。



<お節料理の仕様>

 お節料理は、
重箱に入れておく。

 その意味は、
・福を重ねる、
・歳を重ねる、
と言う願いからだそうな。



 重箱は、名前のとおり、重ねる箱で有るが、
・5段重ねか、
・4段重ねか、
で作るのが正式で、
ただし、
4と言う数字は、
   「し」=「死」つながり不吉なので、
    「与段(よだん)」と呼ぶ、
そうな。



 なお、各段の詰め物は、
・1段目は、
  「祝い肴」と呼ばれ、
   お節料理の基本と言われる
    黒豆、ごまめ(田作り)、数の子と、
  紅白かまぼこ、だて巻き、栗きんとんなど。

・2段目は、
  鰤(ぶり)、鰆(さわら)、鯛(たい)、海老(えび)
   などの焼き物。

・3段目は、
  昆布巻き、椎茸、こんにゃくなどの煮もの。

・4段目は、
  なます、酢だこ、南蛮漬けなどの酢の物。

・5段目は、
  神様からのお返しを入れてもらうる為に、
   何も入れずに、空っぽにしておくか、
  現代風の、好きな物を入れておいても良い。

だそうな。


 中断