甲子園野球の矛盾・問題点
高校野球の全国大会として、
・春の甲子園(選抜高等学校野球大会)、
・夏の甲子園(全国高等学校野球選手権大会)、
が有る。
春の大会は、前年の秋に行なわれるブロック大会の優勝校などが選ばれるので、ブロック代表的な要素が有る。
夏の大会は、全国の高校が都道府県予選を戦い、代表になったチームは、正に都道府県を代表して出場することになる。
その所為か、明確には言われないが、
「夏を制した」
方に重きが置かれる考えも有る。
その甲子園野球や高校球児がもてはやされているが、色々と物議を醸しだしていることも事実。
で、その点に付いて書いておこう。
高校野球ファンの皆さん、怒らないでね。
私も、高校野球ファンなので。
<都道府県代表チームと言うけれど>
・各都道府県を代表して出て来るチームだが、
本当に、都道府県の代表かと言うと、かなり微妙で、
・東京や北海道、神奈川、埼玉、愛知、大阪、兵庫、千葉、福岡は
参加校が多い為、2地域に分けて、2校が代表として出て来るが、
・全56校の代表チームの内、公立高校はたったの6校で、
残りは私立高校であり、
甲子園に出たい高校球児が、私立強豪校に越境入学するので、
レギュラー選手の中に、その都道府県出身の選手が居ない学校も有った。
そうな。
でも、そんな事情が有っても、多分、自分の住んだり出身だったりする都道府県のチームを応援するよね。
<最悪の環境の中で>
・地球温暖化で、とんでもない猛暑となっている中、
甲子園のグラウンドの中は、50度Cにもなるそうで、
都道府県予選でも、倒れて運び出された選手が居た。
・特に、ピッチャーとキャッチャーの負担は、
想像を絶するものであろう。
・ひょっとすると、
命に係わる健康被害を受ける球児も出て来るかも知れない。
ので、
「夏の大会は止めるべき。」
「大阪京セラドームなどでやるべき」
などの意見が出ているそうな。
<大量得点差>
・甲子園野球では、
大量得点差によるコールドゲーム制度を採用していない所為で、
・見ていても可哀想になるほど点差が付いても、
9回まで試合が続行されるので、
実際に、1985年(S60年)の夏の第67回大会で、PL学園(大阪)29−7東海大山形(山形)の試合が有ったそうな。
なお、地方大会においては、決勝戦以外は、コールドゲームが採用されている。
<ノーゲーム再試合の矛盾>
・雨などによる試合中断で、翌日に途中から続ける
「サスペンデッドゲーム」制度を取り入れていないし、
雨の心配の要らないドーム球場でもない所為で、
・前日の試合で負けていたのに、
途中で雨の所為でノーゲームになり、
翌日の試合で勝ってしまった。
と言う、勝った方は笑いが止まらないけど、負けた方は納得出来ないことが起きている。
その例として、2003年(第85回大会)で、駒大苫小牧8-0倉敷工だったのに、4回途中で雨が降りノーゲームとなった翌日の再試合で、倉敷工が5-2で勝ってしまったことが有る。
なお、規約には、5回裏終了まで試合が行われると、その試合は成立することになっている。
<タイブレーク制度の導入>
・昔の高校野球の規約には、
「延長戦を〇回までとする」
と言う決め事が無かった所為で、
試合の決着が付くまで続けたらしく、
25回まで延長戦が続いた例が有り、
・1958年の第40回大会から、
「延長18回を終えて同点引き分けの場合は、
その時点で試合を終了し、後日再試合を行う。」
と規約を改正し、
・2000年の春の第72回選抜高等学校野球大会から、
延長戦が18回制から15回制に短縮、
・2018年の100回記念大会から、
「タイブレーク」制が導入された。
と言う流れが有る。
高校球児の健康を考えたら、遅過ぎる決断だと思うね。
なお、甲子園野球での「タイブレーク」制とは、
・延長12回で決着が付かなかった場合、
・13回表の攻撃から、
・ノーアウト1、2塁の設定をし、表と裏の攻撃をさせる、
もので、タイブレークでは、無期限の延長になる。
この設定だと、絶対に点数が入ると思えるが、実際は、スクイズ失敗やダブルプレーなどで1点も入らないことが有る。
大会によっては、
・ノーアウト満塁、
・ワンアウト満塁、
など、設定が変わる場合が有る。
<日本人の野球好き>
・高校生が、自分の出身都道府県を代表して戦うスポーツは、
野球以外にもいっぱい有るが、
高校野球ほど大々的にメディアに採り上げられることは無く、
・今は居なくなったと思うが、知事まで応援に駆け付けた
ことも有ったほどの人気だが、
日本人が如何に野球好きかの証拠だね。
しかし、海外では、野球ではなくサッカーなんだよね。
何せ、サッカーの勝敗で、殺人や戦争が起きているからね。
そして、サッカーの波は日本にも押し寄せて来てて、今朝の新聞を読んだら、
・硬式野球を行なう部員は、
2014年の17万3千人をピークに、毎年、減少し続けている、
・軟式野球を行なっている中学生は、
2019年は30万7千人居たのに、2017年は17万4千人に激減、
サッカーを親しむ中学生男子の方が4万人多い。
と書かれていた。
負けるな、野球少年少女!