映画「ハンターキラー 潜航せよ」 粗筋ネタバレ

 表題の映画を観に行った。
 「ハンターキラー」とは、原子力潜水艦のことを言うようだ。


 「空母いぶき」を観たかみさんの従兄弟が、
”あんなもん、漫画やなあ。”
と言ってたが、この映画も、正に漫画である。
 大体、設定が有り得ない。


 しかし、そんなことも全て受け入れて、
昔の西部劇的に楽しめば、とても面白い映画だった。


 そんなわけで、粗筋ネタバレを書き残しておく。
 なお、原作者や映画監督の、話を面白くするための
構成意図を無視して書くので、お許しを。

 また、途中で茶々を入れるが、それに関してもお許しを。




<ドゥーロフ国防大臣の陰謀>

・ロシアの憲法では、
  ”大統領が病気等で職務を全う出来ない場合は、
   国防大臣が代行する”
 ことになっている。

・国防大臣の「ドゥーロフ」は、日頃から、
 「ザカリン」大統領が弱腰であることに我慢出来ず、
 大統領を排除し、自分が大統領権限を奪い、
 アメリカとの戦争を行なおうとする。

・先ず、最新鋭のイージス駆逐艦の戦力を自由にする為、
 正義派で邪魔になる「セルゲイ・アンドロポフ」艦長を、
 潜水艦「コーニック」の艦長に異動させ、
 駆逐艦の艦長には、自分の息の掛かった者を就ける。

・加えて、「アンドロポフ」艦長の潜水艦に爆弾を仕掛け、
 水没させる。
・それだけでなく、潜水艦「コーニック」を追尾していた
 アメリカの潜水艦「タンパベイ」を、魚雷で沈め、
 潜水艦同士が戦って沈没したように見せ掛け、
 ロシアとアメリカを戦争状態に引きずり込もうとする。


<アメリカの対応1 原潜の派遣>

・北海で、二度の爆発が有り、
 北海で行動していたアメリカの潜水艦が消息を絶ったので、
 アメリカ国防省と軍は、対応を検討。
・爆発の有った北海に、原子力潜水艦「アーカンソー」を派遣し、
 状況を把握させることにした。

・「アーカンソー」の艦長「ジョー・グラス」は、
 海軍兵学校を出ていなくて、ソナー員など務めて来た叩き上げで、
 潜水艦艦長を務めるのは、初めてのことであった。
・「グラス」艦長は、艦内放送マイクを握り、
  ”私は、兵学校を出ていない。
   ソナー員もやった。艦内清掃もやった。
   妹の結婚式も出られなかった。
   父親の葬式にも出られなかった。
   人生の殆どを、潜水艦の中で過ごした。
   君たちと同じだ。”
 と、乗組員に話し掛ける。

  突っ込み。
   1)この「グラス」艦長の言葉が、超格好いい。
     如何にも、アメリカ人が好む設定だ。
     また、「グラス」艦長役の「ジェラルド・バトラー」が、
     男の中の男。
     ぴったしの役だ。こんな男に成りたかったぜ。

・爆発現場に、原潜「アーカンソー」が到着したが、
 氷山の影に隠れていたロシア潜水艦から攻撃を受ける。
 何とか攻撃を避け、反撃し、ロシア潜水艦を破壊する。

・その後、水中探査機を発進し、海底の様子を確認したところ、
 魚雷によって沈められたと確認出来るアメリカの潜水艦を発見。

・その近くに、ロシアの潜水艦も沈んでいるのを発見。
 その様子を写真に撮って驚いたのは、
 魚雷などの外部からの攻撃で沈んだのではなく、
 内部からのテロ爆発で沈んだことを証明する
 外に向けて広がった艦体の穴だったからである。

・その時、沈んでいるロシアの潜水艦から、音が聞こえ、
 生存者が居ることが判明する。

・慎重派の副艦長が、
  ”乗員の生命に危険が及ぶ軍法違反です”
 と止めるが、「グラス」艦長は、救出を命令する。
・結果、救出したのは、
 ロシア潜水艦「コーニック」の「アンドロポフ」艦長だった。


<アメリカの対応2 シールズの派遣>

・アメリカ国防省と軍は、ロシアで何が起きているかを確認する為に、
 「ビーマン」を隊長とするネイビーシールズ(海軍特殊部隊)の4人を、
 ロシア海軍基地に侵入させることにする。
・そして、4人は、ノルウェーから輸送機でロシアに運ばれ、
 パラシュートで降下し、海軍基地に接近する。

・そこで見たのは、最新鋭駆逐艦に、ミサイルなどの武器が、
 次々と積載される様子で、その画像や映像を、アメリカ本土に送付する。
・報告を受けた「ドネガン」統合参謀本部議長は、
 戦争準備をするよう、女性大統領に提言する。


<「ドゥーロフ」国防大臣のクーデター>

・「ドゥーロフ」国防大臣は、北海の海軍基地に大統領を誘い出し、
 付き添いやボディーガードを殺害し、「ザカリン」大統領を監禁する。
・そして、ロシア全土の軍に、
  ”ザカリン大統領は病気で、国防大臣の私に、
   全権が委ねられた。”
 と広める。

  突っ込み。
   2)こんな簡単なクーデターで、ロシアを乗っ取れるのか?
     ロシアも、情報国家、文明国だぜ?
   3)大統領の付き添いやボディーガードたちを簡単に殺すなら、
     いっそのこと、大統領も殺害しておけば企みは成功したのに、
     部屋に監禁しておくから、ややこしいことになるんだよね。


・ところが、「ビーマン」隊長など4人のシールズ隊員は、
 付き添いやボディーガードが殺害され、海に投げ込まれる場面を目撃。
 水中ドローンで撮影した映像を、アメリカに送る。

  突っ込み。
   4)何で、わざわざ殺害シーンを、岸壁で見せるのか?
     殺害は、なるべく人に見られないところでして、
     遺体は、こっそり隠すものだろう。

・その映像を見たアメリカの大統領たちだが、
 「ドネガン」統合参謀本部議長は、
  ”北面艦体を北海に出動させ、応戦させるべき。”
 と、強硬に提言するに対して、
 「フィスク」海軍少将は、
  ”4人のシールズに、ザカリン大統領を救出させ、
   原潜「アーカンソー」に拾わせたい。”
 と提案する。
・それに対して、女性大統領は、
  ”攻撃艦体の出動を命じる。
   同時に、救出作戦も実行せよ。”
 と決断、命令する。

  突っ込み。
   5)たった4人で、1千人を超える敵が居る海軍基地に侵入し、
      ザカリン大統領を救出するなんて、シールズって凄いね。
   6)機雷などが設置され、敵の最新鋭イージス駆逐艦も待つ、
     海軍基地港湾に、潜水艦が侵入出来ると考えるなんて、
     アメリカの国防首脳陣は、凄いポジティブだねえ。



<「アンドロポフ」艦長の協力>

・原潜「アーカンソー」の「グラス」艦長は、
 助けたロシア潜水艦「コーニック」の「アンドロポフ」艦長を、
 潜水艦の中心である指令室に招き入れ、
  ”海軍基地港湾内まで案内してほしい。”
 と依頼する。
・それに対して、慎重派の副艦長は、
  ”他国の人間を指令室に入れるのは、軍規違反です。”
 と止めるが、「グラス」艦長は押し切る。
・結果、「アンドロポフ」艦長は、機雷やソナーだらけの
 狭いフィヨルドをすれすれに抜けさせ、
 最後は、海図に載っていない進入路を教え、
 原潜「アーカンソー」は、何とか海軍基地港湾内に侵入出来た。

  突っ込み。
   7)原潜「アーカンソー」が、機雷やソナーの横数十cmを、
     ギリギリにすり抜けるのは、有り得ない奇跡の中の軌跡。
     まあ、良いけどね。


<「ザカリン」大統領を救出>

・海軍基地に侵入したネイビーシールズの4人だが、
 不審な電波を把握した海軍基地の兵隊たちが探索に来て、
 一番若いシールズ隊員が負傷する。
・仕方無く、残りの3名で救出に向かうが、
 途中、死んだと思われ海に投げ込まれた、
 「ザカリン大統領」のボディーガードと遭遇。
 4人で、「ザカリン」大統領の救出に向い、
 かろうじて「ザカリン」大統領を救出し、
 海に向かう。
 そこで、1名のシールズ隊員と、ボディーガードが死亡する。
・その後、ロシア海軍の兵士たちが、車両などで迫って来るが、
 負傷して残されていたシールズ隊員が狙撃で援護して、
 「ザカリン」大統領と2名のシールズ隊員が海に辿り着く。

  突っ込み。
   8)仮にもロシアの大統領を閉じ込めていると言うのに、
     あまりにも警戒の薄いこと。
     だから、たったの4人に、大統領を奪われるんだ!


・そこに、原潜「アーカンソー」から出された「水中救命艇」が浮上。
 「ザカリン」大統領を支え、2人のシールズ隊員が海に飛び込み、
 「水中救命艇」に向かう。
・「ザカリン」大統領は何とか「救命艇」に辿り着くが、
 シールズ隊員の1名は、ロシア軍の銃弾を浴びて、海中で死亡する。
・「ザカリン」大統領が「救命艇」に入ったのを確認し、
 シールズの「ビーマン」隊長は、1人、
 海軍基地近くに残されている若いシールズ隊員を救出に、引き返す。


<駆逐艦の攻撃と中止>

・「ドゥーロフ」国防大臣のクーデターや、
 「ザカリン」大統領がアメリカの原潜に載っていることを知らず、
  (ドゥーロフ国防大臣の部下である艦長は知っているが)
 駆逐艦の乗組員は、原潜「アーカンソー」をミサイル攻撃する。
 その時、元は駆逐艦の艦長だった「アンドロポフ」潜水艦艦長は、
  ”私が、駆逐艦の乗組員を鍛えた。
   彼らは、決して失敗しない。”
 と言う。
・その言葉通り、正確な攻撃で原潜「アーカンソー」が破壊されそうな時、
 「グラス」艦長は、マイクを「アンドロポフ」艦長に渡し、
 呼び掛けの言葉を、駆逐艦に伝えさせる。
・「アンドロポフ」艦長は、駆逐艦に乗っている乗組員一人一人の名を呼び、
  ”攻撃を止めろ。”
 と伝え、原潜「アーカンソー」は、駆逐艦の前に浮上する。

  突っ込み。
   9)以前は自分の部下だった乗組員一人一人の名前を呼び、
     昔の信頼関係に掛ける。
     ジーンと来たねえ。
     男の世界だねえ。命を共にした絆だねえ。



<ロケットランチャー攻撃>

・アメリカの原潜「アーカンソー」が目の前に浮上し、
 「ドゥーロフ」国防大臣の息が掛かっている艦長が、
 部下に攻撃を命じるが、乗組員は誰も動かない。
・拳銃を突き付けても動かない部下たちに、諦めた艦長は、
 「ドゥーロフ」国防大臣に電話して、そのことを伝えると、
 「ドゥーロフ」国防大臣は、
  ”わしが、自分で攻撃してやる。”
 と憤り、命令を下し、自走式ロケットランチャーを岸壁に並べ、
 発射させる。

・原潜の「グラス」艦長は、
 潜水艦発射ミサイル「トマホーク」の準備をさせるが、
 発射を取り止めさせる。
 その判断に、原潜「アーカンソー」の乗組員全員が
 理解出来ずに、艦長を見詰める。
・そこへ、ロケットランチャーから打ち出された小型ミサイルが、
 雨のように降り注ぐ。


 この場面は、敢えて書かない。
 まだ、上映中だから、書くのは止めよう。

 他の映画紹介ネタバレでは書いてあるかも知れないが、
私は、まだ書かないでおく。

 映画を観ていない皆さんは、想像してください。


  突っ込み。
   10)この結末は、全く予想出来なかったなあ。
     この場面だけでも、この映画を観た値打ちが有ったなあ。



<終わりに>

・「ザカリン」大統領がロシアに帰り、
 シールズ隊員の「ビーマン」隊長と若手隊員は救出され、
 原潜「アーカンソー」も帰国することに。
・「アンドロポフ」艦長が、「グラス」艦長に、
  ”私は、いままでに、これほど豪胆な艦長を観たことが無い。”
 と言えば、「グラス」艦長も、
  ”私も、同じだ。”
 と返す。


 設定は漫画チックで、
「それはないだろう」
的だったが、見応えは有った。

 皆さんも、漫画を楽しむ気持ちで観に行ってください。
 面白いですよ。