ぎっくり腰(急性腰痛症)

 ぎっくり腰について、纏めてみる。
 あれこれ書いてくどくなるが、ご容赦を。


<ぎっくり腰とは>

 「ぎっくり腰」と呼ぶのが分かり易いが、
医学的には、
「急性腰痛症(ようつうしょう)」
と呼ぶそうな。

 また、一般的に、「ぎっくり腰」と言うと、
「椎間板ヘルニア」
と思われるが、「椎間板ヘルニア」も、
「ぎっくり腰」の1つと言うことのようで、
「ぎっくり腰」の原因に、「椎間板ヘルニア」が占める割合は、
たったの20%ほどだそうな。

 そして、「ぎっくり腰」の原因の多くは原因不明で、
「ぎっくり腰」になった時、腰に何が起きているのかは、
良く分かっていないんだそうな。
 ありゃまあ。

ぎっくり腰
急性腰痛症
きっかけ 状況 治療
・重い物を持った時、
・急に立ち上がった時、
・背伸びをした時、
・くしゃみをした時、
などなどさまざま。
原因不明 無理をしなければ
1〜2週間で治る。
椎間板ヘルニア 保存的治療や手術が必要。
圧迫骨折 セメントなどでの骨の整復
器具での骨の固定



<脊柱(せきちゅう)のこと>

 人間の体の中心を走り上半身を支えている物が、
「脊柱(せきちゅう)」
と呼ばれる物であり、いわゆる背骨である。

 その脊柱は、
「脊椎骨(せきついこつ)」
と呼ばれる骨が上下につながって、
作られている。


 その数を調べてみると、
・首の辺りにある「頸椎(けいつい)」は7個、
・胸の辺りにある「胸椎(きょうつい)」は12個、
・腰の辺りにある「腰椎(ようつい)」が5個、
・尻の辺りにある「仙骨・尾骨」が各1個

と成っている。




<椎間板ヘルニア>



 脊柱(背骨)を作っている脊椎(せきつい=骨)は、
それぞれが直接に繋がっているのではなく、
柔らかくて緩衝材の役目をする
「椎間板(ついかんばん)」

と呼ばれるもので
繋がっている。

 固い骨と骨の間に、
スポンジのようなショック吸収材が入っているようなものである。

 この「椎間板」の周りは、強い皮のようなもので、
その中に、

髄核と呼ばれる柔らかくて水分の多いもの

が入っている。


 この髄核は、20代の頃から、
だんだん水分が無くなり始め、固く脆くなってくるので、
・「椎間板ヘルニア」、
・「変形性脊椎症」、
・「頸椎骨軟骨症」
など色々な病気が起きるようになる。


 実は、私も、「椎間板ヘルニア」になったことが有る。
 「椎間板ヘルニア」は、
固く脆くなった椎間板の外側が破れて
中身である「髄核」が飛び出し、神経を圧迫
する
怪我(病気)である。


 30歳の時、バレーボールの練習をしていた時、
アタック(スパイク)をしようと、思いっきり屈み、
思いっきり伸び上がって飛び上がったら、腰がぎくっと成り、
着地したまま背中を伸ばしては動けなくなったのである。


 で、そのまま、お相撲さんのすり足のように腰を曲げたまま、
体育館を出ていったのである。


 私の知り合いの、普段運動をしない23歳の女性は、
布団を押入に入れようと持ち上げた途端、ぎっくり腰になった。

 
40過ぎの知人は、祖父の小さな盆栽の鉢を動かそうとした時、
グキッと成ってしまった。


 20歳を越えると椎間板の老化が始まり、
誰でもぎっくり腰になる可能性が出てくるのである。


 治るまでは、大変辛かったのを覚えている。
 まっすぐ立って上体の体重が腰にかかると、痛くてたまらなかった。

 一番困ったのは、大便であった。
 そのころ、我が家は和式のトイレしかなかったので、
大便をするときはしゃがまなければならない。
しゃがんだ姿勢は痛くはないのだが、
腰に力が入らないので、一度しゃがんでしまう立ち上がれないのである。

 そこで、トイレの両側の壁を手で突っ張りながら、
少しずつせり上がっていき、やっと立ち上がれたものである。


 パンツやズボンをあげるのも大変だった。
腰を曲げながら、履くのは難しいものだったから。


 「椎間板ヘルニア」になったら、どうしたらいいのだろう?


 まず、病院に行くべきであろう。
 ほんの軽いものなら、自宅で安静していても良いが、
やっぱり専門医の指示を受けるべきだと思う。


 医師は、
・場合によっては痛み止めの注射をするかも知れないし、
牽引をしてもらうのも、大変気持ちが良いものである。
 ぶら下がり健康器が、こんな時は気持ちいい。

・湿布を貼る。

等である。


 軽い場合は、これで数日から数十日で治る。

 しかし、これが繰り返されると、
足にしびれが出始めたり背骨が曲がったり

するらしい。

 そうなると、
手術をしてはみ出た部分の取り除く
と言うことになってしまうようである。


 ぎっくり腰にならないようにするには、
・物を持つ時や体をひねる時は、常に腰を意識をすること

・重い物を持つ時、
 背中を丸めて持つのではなく、背筋を伸ばして持つこと。

・柔軟体操をし、腰の筋肉を鍛えること

であろうか。

 みなさん、お気をつけ下さい。

 

 ご忠告

 整骨院に行くのは、善し悪しです。一時的には軽癒しますが、することも有りますが、下手な所へ行くと、手に負えないようにされることがあるらしいですから。