インフルエンザの型



<インフルエンザウィルスとは>

 インフルエンザウィルスは、
・直径約1万分の1mmという小さなウイルスで、
・人が感染するインフルエンザウィルスには、
 A型、B型、C型の3つの種類が有り、
・大きな流行を起こすのは、A型とB型で、
 感染力が強く、
・1個のウィルスが、一日24時間で、
 100万個に増殖すると言われている。
ものである。


<ウィルスの型の命名>
・1933年にA型が最初に見つけられたのだが、
 その時はA型という名前はなかった。

・後になって、別の型のウイルスが見つかったときに、
 B型と呼んだので、始めに見つかった型をA型と呼ぶことにした。
・またその後に見つかったのをC型とした。



<ウィルスの型の特徴>
 それぞれの型の特徴は、下の表のとおりである。

流行の時期 重さ 主な症状 怖さ 治癒時間
A型 12月〜1月 高熱、寒気、筋肉痛、関節痛、咳、喉の痛み インフルエンザ脳症、中耳炎など 5日間ほど
B型 1月〜3月 高熱、寒気、筋肉痛、関節痛、下痢、おう吐 胃腸症状など 2週間近く
C型 一年中 微熱、咳、鼻水、喉の痛み 幼児の重篤化 1週間ほど


 特に、A型インフルエンザウィルスは、
・遺伝子の変異が起こりやすく、
・144通りもの亜型があり、
・同じ亜型の中でも頻繁に変異を繰り返して、
 性質が少しずつ変化していくため、
毎年多くの感染者が出るそうである。


<免疫が効かないわけ>

 人間は、免疫能力を体に備えているので、本来なら一度罹った伝染病には二度とかからないはずである。麻疹(はしか)や風疹、お多福風邪などはそうである。


 処が、インフルエンザウイルスはそれらのウイルスとそっくりなのに、何度も罹ってしまうのである。その理由は、次のように考えられている。

 インフルエンザウイルスの表面には2種類の抗原があり、それぞれ「H」と「N」と呼ばれている。そして、A型ウイルスは、Hを13種類、Nを9種類持っており、この組み合わせが変わると新しいウイルスのような力を持つので、何回も感染するのである。

 スペイン風邪はH1N1の組み合わせ、アジア風邪はH2N2、香港風邪はH3N2だったと言われている。